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【まわりの音を楽しむ】


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私は、1960年代、まだ混とんとする沖縄県コザ市の繁華街で生まれた。
復帰前の沖縄は、本土に追いつけ追い越せとばかりに躍起になっていた頃かもしれない。

私の生家は、小さな商店を営んでいたが、のちに増築し地の利を活かして、家の前半分はバーなどの飲み屋に貸していた。
隣は、セントラルホールというダンスホール。いつも、何かしらの音楽が鳴っていた。
それが子守唄だった。
だから音が無いと不安だった。

10歳の頃引っ越した先は、嘉手納基地と普天間基地の間の町、北谷町だった。
爆撃機の音で、高校の授業が中断する町。自然と話す声は大きくなった。
なのに、住んでいるところは、少し辺鄙な住宅街だったので、まわりはしんとしていた。
怖かった。
しんという音が怖かった。
暗闇からグリズリーが出てきそうだった。そんなグリズリー、沖縄にはいないのに、映画の影響でつい想像して怖くなった。

想像とは、なんという武器なのだろう。人間はこの想像という武器を手に色んなものを作り上げてきた。

想像即創造!

 

実は、毎瞬想像したものが、すぐに創造されているのだ。
なんということだ!
ということはこの、今聴こえている音も、毎瞬、私たちが創造しているものなのか?
確かにそうだ。

人は、見たいものだけを見て、聞きたいことだけを聴く。
それなら、美しいものを見ようではないか。
美しい音を聴こうではないか。
今も、夜なのに、ここ横浜では空を飛ぶ飛行機の音が聴こえる。
爆撃機の音も、しゃらら~~~ん♪とか、楽しい音で飛んでくれたらいいのに。
哀しい記憶が、嫌な音としてとらえるのか?
元々嫌な波長の音なのか?

姉は、言った。「季節によって爆撃機の音が変わる」と。
私はそんな風に、爆撃機の音を聴いたことがなかった。

ただ、聴いてみよう。なんの思考も付け加えずに。
ただ、楽しんでみよう。まわりの音を。

そしたら、創造するものも変わるかもしれない。

お聴きいただきありがとうございました♪