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大正12年8月 『女性改造』に発表された作品。

「白」とは、犬の名前。

白は、ある春の午後、仲良しの黒が「犬殺し」につかまってしまうのを
目撃してしまう。

助けられなかった自責の念からか、「真っ黒」になってしまった白は
優しい飼い主からも、「白じゃない!」と、追い出されてしまう。

この、理不尽に何もできず追い出されてしまうところが
カフカの「変身」をうっすらと思い出す。

追い出されて放浪する間、白は
火の中に飛び込んだり
危ない目にあったりしながら
人を助けていく

この真っ黒な自分を殺したいと思いながら
危険に立ち向かって行ったのに
死も何処かへ逃げ去ってしまった

自殺しようと決意、死ぬ前に大好きなお嬢さんと坊ちゃんを
一目見てからと、白は元の家にもどります

さて、真っ黒な白は、無事に二人に会えたのでしょうか。

<注釈より>

「犬殺し」・・・野良犬を捕まえて撲殺する職業の人。 昭和30年代まで見られた。

<えぃり~より>

昭和40年代の沖縄では、「いんとぅや~」(直訳すると犬捕り)が車で野良犬を探していた。
私がかわいがっていた野良犬の「ジロ」もいつの間にかいなくなっていた。
「ジロ」は北谷総合グランドの土の色をしていた。
白じゃない、雑種だった。
よく、一緒に裏の山に遊びに行き、小さなせせらぎの流れで遊んだなぁ~。

今の時代に生きていたらもう少し長生きできただろうね、ジロ。

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