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【藪の中】
芥川龍之介
1922年(大正11年) 30歳の頃の作品。
【吉田精一氏の解説より抜粋】
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・・・『今昔』の原典では男は殺されておらず、盗人の目的は物とりで、色情はつけたりである。
芥川は夫の目の前で妻が他の男に強姦されるというスリリングな事実を原典から借りたのみで、その夫の死骸をめぐって、誰がその男を殺したかについて、盗人、女、男と三人三様の言い立てがちがっているという点に構想の中心を置いた。
結局この小説のテーマは、ある事件に対して、当事者たる人間たちの各種各様の解釈がありうること、人生の真相とか、現実の機微とかいうものは、一端をもってとらえがたいこと、各人各種の感情や心理に従って、真実はいくつもの姿を呈すること、といったところにあろう。
それを通して、作者の懐疑的な人生観が語られているのである。
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【朗読】 青空永音
素人の趣味の朗読でございます。アクセントや読み方など、間違いの箇所もあるやもしれません。
お聞き苦しい点は、どうぞご勘弁いただきまして、芥川龍之介の世界をお楽しみいただけますと幸いに存じます。
ありがとうございます