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今日は、頭木弘樹さんの「絶望読書」より
「カフカといっしょに『倒れたままでいる』」をお届けします。
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病床でいつも臥せっていた心友のKさんが言っていました。
「朝、目が覚めると、今日も生きていた!とホッとする」と。
思うように身体が動かず、息子の行く末も見ることができずに
早くに逝ってしまったKさん。
どんなにか、心残りだったことでしょう。
そんなこともあってか、わたしも
ふと、ある朝、目覚めた時に思ったのです。
「このまま、目が覚めても身体が動かなかったら・・・???」
その時、「そういえば、カフカの『変身」って、最後どうなったんだっけ?」と、急に気になって、青空文庫からで全文を印刷、朗読しました。
今になって、改めて読んでみると
「変身」は、あまりの絶望っぷりに
不謹慎ながら、なんだか笑えてくるのです。
そして、残された家族にはとても「希望」が感じられて
不思議な感覚に襲われました。
カフカについて色々と検索しているうちに、
頭木弘樹さんの「絶望名人カフカの人生論」(新潮文庫)と出会います。
そこには、私が不思議に感じたカフカの魅力が満載でした。
とにかく、その見事な絶望っぷりに笑えてくるのです。
なんの不自由もなかったはずのカフカの人生。
今のあなたも、実はそうではないですか?
P145
カフカといっしょに「倒れたままでいる」
——すぐには立ち上がれない「絶望の期間」に
日記や手紙
たえず絶望的に道に迷い・・・・・・
どうやらぼくは、
樹の根につまずいて倒れ、
いつまでも倒れたままということになるらしい。
カフカ「断片」
「絶望の言葉が救いになるとき」
「薄いという理由で選んだ『変身』」
「人生のさまざまなシーンにカフカはあてはまる」
「カフカは日記や手紙が面白い!」
「普通の人生を送った人の日常的な絶望だからいい!」
「カフカも他の作家の日記や手紙を読むのが好きだった」
「絶望の名言集」と「間の本」
「もっと読んでみたいと思った方には」
【本の紹介】